
前回の続きです。シュテファン・ツワイク「マリー・アントワネット」によれば・・・以下、要点のみ
あるユダヤ人宝石商が、パリ警視庁に出頭して、「レトー・ド・ヴィレットとか言うものが、稀有なダイヤを法外な価格で売りに来たが、これは盗難品に違いない」と、申し出てきた。警視庁はレトーに出頭を命じ、くだんのダイヤが、王の血族に当たるヴァロア・ド・モット夫人より出たとの確証をつかむ。一つずつほぐされた王冠は、これ以上パリで投げ売りすると、こっちの首の骨が危ないと気づいた婦人は、さっさと元気な夫のポケットに一杯詰め込んで、ロンドンへ送る。

「バンザーーーイ!!!一挙に大金が転がり込んできた!!!」
そこで、このヴァロア王家の血を引く、稀代の詐欺女の取った行動が面白い。彼女は、イギリス産の4頭の馬が引く灰色のニスを塗った馬車、豪奢な制服を着た従者、頭のてっぺんから爪先まで、銀モールづくめの黒人下男、絨毯、ゴブラン織り、青銅器、羽毛飾りの帽子、真紅のビロード張りのベッド、42台の馬車に積み込めなかったほどの豪華な家財を運び込んた。
王家の紋章「わが血、わが名、我が百合花紋、そを我はわが祖なる王より受けぬ」という銘を入れた紋章が刺繍してある白布が張りめぐらされ、村人のどぎもを抜いた。
かつての憲兵士官、夫、ラモットも大変なおめかし、10本の指には全て指輪をはめ、靴の留め金はダイヤモンド、胸には3つか4つの時計の金鎖が輝き、衣装箱には、後の裁判記録によれば、18着にくだらない当時最高の洋服が詰まっていたそうな。
近隣の貴族達が評判を聞いておしかけ、時ならぬ、贅を尽くした饗宴は、本家の王家とも比べられるほど・・・速く自分がさっさとトンズラしようと考えなかった所が、ももりが好きな部分で、「そんなもん、あのローアンのアホが払いよる」って大阪弁ではなかったやろうけど、タカをくくって考えた。スケッチは冬のパリ つづく
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