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2017年5月 1日 (月)

春 惜しむ  Ⅲ

 このところうれしいお出かけが続いています。まずは・・・平城京をでて、恭仁京・・・そこから信楽の宮跡へ・・・かの聖武天皇の足跡をたどるドライブ、奈良に住む弟におねだりです。


 行く前の夜・・・約束していた日なんですけど・・・
「雨降りそうや。あした・・・」
「まあぁ・・・きつうは降らへんやろ」
「でも・・・・」
「こっちかて予定があるんやでえ。行くのんか??行かへんのか???」
「う・う・・・・ん。そんなにかとう考えんかて・・・生きてる間に行けたらええんやから・・・やっぱり止める」
「わかった」


 午前4時、目が覚めて・・・もの音もなし。そーっとカーテンをあけました。雨は降っていません。
「しもたぁ・・・」
 午前6時・・・目が覚めて・・・やっぱり???雨の音???イエイエ、降っていません。
「行きたい!!!行きたああい!!!」


「今日、行ったらあかん???雨、降ってへん」
「ああ・・・ええよ」気のいい弟に深謝深謝!!!
ということで、平城京を出発。恭仁京へ・・・静かな雨が降り始めました。

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 春の雨と恭仁宮はよく似合います。ピンク紫のミツバツツジが山全体に群生しています。資料館へも行きました。弟は平城京から歩いてここへ来たといっています。4時間ですって。ここは、死んだ次男もいつぞや連れて来てくれところです。


 聖武天皇は、九州で反乱を起こした藤原広嗣をほったらかして、平城の宮から逃げ出しました。まず、恭仁京に宮を造ろうと詔します。ところが・・・1年もしないうちに紫香楽の宮へ引っ越しすると言いだします。しかも、紫香楽に大仏を造るというのです。740年のことでした。

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 ここは紫香楽。まばらな林の中に、石碑のみが立っています。雨が少しきつくなってきました。独裁者天皇のきまぐれ???が、未だ許された不思議な時代です。律令は破たん。口分田は払底し、重い税にたえかねた農民は土地を捨てて逃亡。その農民を取りこんで勢力をつけていく土豪、寺院勢力。無力な天皇に、反乱、疫病、天災が襲います。国家の不安を仏の力で何とか解決したい・・・というのでしたが・・・・


 国家財政は当然破たん。その中で大仏を造り、膨大な写経をして、国分寺、国分尼寺に治めます。聖武天皇の彷徨は5年にわたりましたが、結局、平城京に戻り、今ある東大寺に大仏が造られました。2度の炎上を経て、今の大仏様は江戸時代の再建だといいます。



 奈良への帰り道、
「あれ???古墳みたい。誰の古墳やろ???」
「安積(あさか)親王の古墳やて」
 そう、安積親王は、光明子ではない異腹の聖武天皇の息子です。当然、孝謙女帝をさしおいて次期天皇になるべき人物でした。しかし…突然の死。紫香楽の宮でのなぞの死です。当時、紫香楽の宮の留守居番は藤原仲麻呂・・・光明子・・・光明皇后に取り入って天皇位をねらった男・・・不比等の孫です。

 お・お・お・・・・なんてすばらしい一日だったことでしょう。天平の人々のひそやかな、しかし深い咆哮を受け止めたような、夢の一日でした。

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コメント

新緑を洗う雨、またその静けさも良いものですね。
ももりさんと一緒に風景と歴史の学びまでできてありがたいです。

この季節に家にいるのは、なんと結婚してから初めてです。
去年まで30年間、主人の母を連れて旅行へ行っていました。
その母も息子の辛い知らせを一日と記憶できず、安堵の中に暮らしています。

投稿: 山桜 | 2017年5月 2日 (火) 10時20分

五月晴れのいい天気が、続いています。
恭仁京は、昔行ったことがあります 礎石が 転がって
いたのを覚えています 夏の草いきれの強い時だった
様に覚えています。聖武天皇の繋がりで、想像が
膨らみますね。

投稿: あきみず | 2017年5月 1日 (月) 19時48分

お姉さまのご意向のままに、気持ち良く引き受けてくださる、有り難いですね~。
ミツバツツジが山全体に群生、これは素晴らしいです。綺麗な色ですもの。
聖武天皇さん、遷都の費用も掛かるでしょう。貴族豪族たちの住まいも移さなくてはでしょう。
複雑な関係をすべて把握なさってますから、より楽しかったことでしょう。
また、無心なさったら。弟さんも1人で出歩いてもと思われてるとしたら。

投稿: kazuyoo60 | 2017年5月 1日 (月) 19時46分

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