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2006年7月21日 (金)

マドリッドのルカ-15

Furamennko_001
 パスポートがジンの手元にあるという。さあ、ルカをもう一度帰さなくてはならない。
「ジンは決して悪い人ではありません」
「ジンってどうしてそんなにお金がないの。男で60才っていえば、まともな男なら年金だって出る年よ。能力があるならスタッフの一人や2人使って事務所でも持ってると思うけどなあ」
「前、アルゼンチンで女の人と暮らしていて、その人が悪い人で、お友達のお金を持ち逃げしたので、全部自分が払ったって」
「ルカちゃん、彼は60才。いろんな女と付き合って、そして別れてるのよ。ルカちゃんが心配してあげるほどヤワじゃないよ。そんなもんか」
「私も時々、この人何言ってんだろうって思ってたんです。いい友達だと言っといて、すぐ後から悪口を言ったりする」
「どういうことなの」
「自分がアイディアをいっぱい出したおかげで大成功したのに、友達は尊敬を持って返さないとか」
「そりゃあ、能力がないってことだよ。アイディアくらい誰でも出せる。要は実際に実現できるかどうかなんだ。やるもののみが成功するんだから」
母親がせきこんで言った。「もう、お母さん決めた。明日の飛行機の切符、添乗員に言って買ってもらうから」
「急に、そんなこと言われたって」
「ルカちゃん。あなたをこの国で守ってくれるものは何だと思う」
「ジンですか」
「そうじゃないよ。とんでもない。居住権のない一旅行者を守るものはパスポートひとつよ。パスポートには、これを所持するものを保護してくださいって書いてあるでしょう。あれは、日本って言う国がルカちゃんを守るっていう意味よ。パスポートがないと帰れない」
「ジンは昼間言ったわ。娘さんはいつでもお返ししますって」
「パスポートをすんなり返すかしら」
「ジンはそんな悪い人ではありません」
「私にはそんなに良い人とは思えないわ。ほんとに良い人だったら、若いステキな人を紹介こそすれ、自分の娘みたいな若い娘を好きにするなんて許せない」
「娘って、お父さんより年よりじゃないの」
「ジンじゃなくってオジンってわけね」(No371)

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コメント

こんばんは、ももりさん。
マドリッドのルカ、気になりますね~~。
ジンは凄く胡散臭いです。
20代前半のルカちゃんがどうして60歳代のジンに惹かれるのか分からないです。
恋は盲目なのか、・・・・。
どう考えても、ジンはルカちゃんをただ利用しているだけのような気がします。
パスポートをすんなり返してくれて、ルカちゃんがお母さんと一緒に日本に帰る気になってくれたらと、願わずにはいられません。
次が気になります。
絵も毎回情熱的なスペインの踊りを表して、素敵です。

投稿: 浜辺の月 | 2006年7月21日 (金) 21時25分

いまだにジンと言う人の正体が判らない。ルカさんにとってはどんな存在なんだろうか?恋人以上のなにかほおっておけない人?それとも恋は盲目ってことか?普通に考えたらルカさんの対象からはかけ離れている初老の男性、ルカさんには惹かれる理由があるかとは思うが、うさんくさい人物としか思えない。
さあ、そんなジンはすんなりとパスポートを渡すのか?ルカさんは母親やももりさんの考えを納得し帰国する決意を示すのか?物語は佳境を迎えますね、明日も楽しみです!

投稿: タム | 2006年7月21日 (金) 18時01分

ハハ(*^_^*)オジンだったわけね、ルカちゃんにもいい加減目を覚まして貰いたいわ。1母親としては、こんな娘が居なくて良かったと思う私がいます。意地悪かも知れないけど、同情は出来ません。かといって親は放り出して来る訳にもいかないですね。昔から言うでしょ!首に縄つけてって!

投稿: nyar-nyar | 2006年7月21日 (金) 15時57分

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