« 欲張りな絵 | トップページ | カトリーナに刺されたブッシュ »

2005年9月 2日 (金)

テンペラ技法

P1010020
前回の「欲張りな絵」のコメントでテンペラって何?と、疑問に思われたのら姉さん。わたしの知っている範囲のことでお答えしましょう。テンペラは古典的な技法の一つです。キャンバスが改良され油絵の具が考案される以前、絵画は板に顔料を何らかの接着性の溶剤で練って塗りつけていた。ルネッサンスの1500年前後の画家、ボッティチェルリが、「春」という大作をものにしたのが板絵、その数年後に描かれた「ヴィーナスの誕生」はキャンバスで絵の具はテンペラだったはずです。板を完全に乾燥させ、下地を完璧にし、ボロニア石膏とジンクホワイトを膠でてんぷらの衣状に溶き何度も地塗りをし、・・・つまり絵を描くまでの作業が大変。絵の具は顔料、つまり黄色い土(黄土色)とか、鉱物を粉状にしたもの(空色)とか赤、緑などをそのつど練って卵などの接着性のある液体(エマルジョン)で練って作っていた。その接着性のある溶剤の種類で、卵テンペラ、カゼインテンペラ、蜜蝋テンペラなどなどがあり、日本画の膠で顔料を練るのも、まあテンペラ画法みたいなもの。タンポポの汁や無花果の汁、精液など接着力が強いそうです。私がテンペラ技法をお習いした津田周平先生がニッと笑って「エジプトの王女のお墓なんか、すぐできたでしょう」っておっしゃったことを思い出します。意味わかりますか??ルネッサンス前後の絵を見ると必ず、板かキャンバスか、テンペラか、油絵かを見る習慣になっていますが、1500年後半には殆どテンペラから油絵に代わっています。油絵の具もルネッサンス期に改良が進み、素人でもどこででも描けるようになり、印象派なんか素人画家の集団って言う常日頃のわたしの持論になっていくんです。人類が太古から営々と絵を描き続けて来たということは、絵が人間本来の喜びであることのあかしです。その末端の末端のハシッコにぶら下がっていると思うと叫びだしたいほどうれしいももりです。油絵の具や、水彩絵の具が考案されるまでのラスコーの洞窟壁画もテンペラで、わたしのは、タマゴテンペラ。時々、腐って匂う???ときもあります。絵はテンペラ、ソドムの街(No114)

|

« 欲張りな絵 | トップページ | カトリーナに刺されたブッシュ »

コメント

ももりさん ご丁寧な解説ありがとう御座いました。 絵を描かれる方には初歩的なことなんでしょうが( ^▽^) 私には?なことがいっぱいです。
言葉を理解して読むと 楽しみも増え興味も沸いてきます。膠(にかわ)の字も覚えたし、
Σr(‘Д‘n)意外なものまで接着剤に使われるんですね(* ^ー゚)  
私昔から親に 「それな~に?
どーしてそうするの?」と良く聞いたものです。
今もその癖が・・・・でもすぐ忘れちゃうのにね( ^▽^)

投稿: のら姉さん | 2005年9月 2日 (金) 12時59分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: テンペラ技法:

« 欲張りな絵 | トップページ | カトリーナに刺されたブッシュ »